休む事なく働き続けてくれている心臓。
 
心臓は血液を「全身に送り出すポンプの働き」をしています。
 
心臓が動いて血液が巡るから、脳や内臓が活動できる大切な臓器です。
 
心臓の働きを確認してみましょう。
 

心臓の構造と働きについて

心臓は右心房、右心室、左心房、左心室の4つの部屋に分かれています。
 
上部が「心房」、下部が「心室」です。
 
「心房」から「心室」「心室」から「動脈」の間には逆流防止する「弁」があります。
 
また右側(右心房、右心室)と左側(左心房、左心室)では酸素濃度が違う為、血液が混ざらないように壁がありそれが「中隔」です。(右心房と左心房の間には「心房中隔」、右心室と左心室の間には「心室中隔」)
 
身体全体には心臓が血液を送ってくれますが、心臓自身には心臓の表面をとりまく3本の「冠動脈」が酸素と栄養素を心筋へ運んでくれています。

心臓の働き(循環について)

身体全体に血液を循環しているのが「体循環」、肺に血液を循環しているのが「肺循環」です。
 
「体循環」「肺循環」を説明していきますね。
 

「体循環」とは

全身の各器官や細胞のすみずみに新鮮な「酸素」「栄養素」を運び、不要となった「炭酸ガス」「老廃物」を受け取って心臓に戻すのが「体循環」です。
 
「体循環」は「心臓(「左心房」→「左心室」)」→「大動脈」→「全身の器官・組織」→「大静脈」→「心臓(右心房)」という順番に流れて「酸素」「栄養素」の交換をしています。(「体循環」に要する時間は約20秒です。)
 
「左心房」→「左心室」の間には「僧帽弁」、「左心室」→「大動脈」の間が「大動脈弁」という逆流防止の「弁」があり、血液の逆流を防いでいます。
 

「肺循環」とは

「心臓」から「肺」に血液を送り、全身から戻ってきた「炭酸ガス」「酸素」に交換するのが「肺循環」です。
 
「肺循環」は「心臓(「右心房」→「右心室」)」→「肺動脈」→「肺」→「肺静脈」→「心臓(「左心房)」という順番に流れて、「酸素」の多い綺麗な血液に交換しています。(「肺循環」に要する時間は3〜4秒です。)

心臓の右側にも左側と同じように「弁」があり、「右心房」→「右心室」の間には「三尖弁(さんせんべん)」、「右心室」→「肺動脈」の間が「肺動脈弁」で血液の逆流を防いでいます。


 

心臓はどうやって動いているのか?

「電気の刺激」により心臓の筋肉は動き、「洞結節」「房室結節」という順番で伝わっていきます。
 
右心房の上の方にある「洞結節」は、1分間に50~100回の電気刺激を規則正しく発生(安静時)、脳からの指令がなくても刺激を伝えられる細胞です。
 
「洞結節」で発生した電気は心房の中を広がり「房室結節」に伝わります。
 
心房と心室の電気的な連結は「房室結節」のみで、「房室結節」を通過した電気は心臓全体に繋がり収縮していくというのが「心臓の中の電気の流れ」です。
 

心臓は精神的ストレスの影響を受けやすい臓器です。

緊張したときに動悸がするなどの経験をした事があるのではないでしょうか?
 
緊張すると「交感神経系」という神経が高ぶり「心拍数の増加」「心収縮力の増強」がおこり「動悸」や「息切れ」を誘発、その他にも症状が酷く出た場合は「めまい」や「気を失う」などにも繋がる事があります。
 
「動悸」や「息切れ」がして心臓病だと思ったけど、調べて見たら何もなかったという方は「精神的ストレス」が原因かもしれません。
 
そんな場合は「心臓神経症」を疑ってみて下さい。

 
心臓神経症については別のページでご説明させて頂いています。
ぜひご参考にされて見て下さい。
心臓神経症
 

 

心臓に負担のない生活を心がけましょう。

ストレスがかからないように気を付けるのはもちろんの事、規則正しい生活をする事も大事になってきます。
 
・運動不足
・甘いものや脂物の多い食事
・睡眠不足
・喫煙
・飲酒
 
などは極力気を付けましょう。
 
激しい運動をしすぎるのも「心肥大」に繋がり心臓に負担がかかる為良くないですが、運動不足も「動脈硬化」などに繋がってしまいます。
 
「動脈硬化」から「狭心症」「心筋梗塞」などの「虚血性心疾患」になる事も…
 
また不規則な生活は「高血圧」「高コレステロール血症」などの「血液の循環の悪化」を引き起こし、「弁膜症」に繋がると言われています。
 
睡眠不足やストレスなどは心臓を不規則な動きに変え「徐脈」「頻脈」などの「不整脈」をおこす可能性が。
 
毎日一生懸命働いてくれている心臓ですが、不規則な生活が「心臓」への負担になってしまいますね…
 
ぜひ気を付けられる事からやっていきましょう。
 
「心臓疾患一覧」にて「疾患別」に詳しく説明させて頂いています。
ぜひご覧になって見て下さい。