心筋梗塞・狭心症は事前の予防が大事です。

 
突然胸の痛みが出た…
 
寒い所に行ったら急に不快感が出た…
 
歩いていると胸に不快感がある…
 
「心筋梗塞」「狭心症」は突然起こる病気です。
 
診断されたけどたまにしか症状がないから…というのは危険です。
 
普段の生活で症状が出ないように「体質から」改善していきましょう。
 

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)とは

心臓は収縮・拡張をする事で全身に血液を送りこんでいます。
 
心臓が動くために酸素や栄養を含む血液を送り込んでいるのが、心臓のまわりを通っている「冠動脈」という血管です。
 
この「冠動脈」が何かしらの原因で狭くなったり閉塞する事で、心筋に血液が行かなくなるのを「虚血性心疾患」と言います。(狭くなるのが「狭心症」、閉塞するのが「心筋梗塞」)

調べてみると「厚生労働省発表」で虚血性心疾患の年間死亡数が
 
「急性心筋梗塞」3万7222人
「その他の虚血性心疾患」3万4451人
 
と書かれていました。(平成26年度発表)
 
心疾患でなくなる方は年々増えています。

狭心症と心筋梗塞について

冠動脈の血管が狭くなり血流が悪化する事で、心臓が「一時的に酸欠状態」となっているのが「狭心症」です。
 
胸のあたりに圧迫されるような痛みや苦しさを感じ「数分から十数分程度」続きます。
 
冠動脈の血管が閉塞して血流がほとんど止まってしまい、心筋の一部が壊死している状態を「心筋梗塞」と言います。
 
非常に強い圧迫感や激しい痛みが起こり、肩や背中、首などにも痛みを感じることもあるほどです。
 
症状は「30分~数時間」続くと言われています。

「心筋梗塞」「狭心症」をまとめて「虚血性心疾患」と言い「狭心症」の場合はニトログリセリンなどの常備薬で一時的に発作が抑まる事が多いですが、「心筋梗塞」では完全に塞がっている為、ニトログリセリンでは発作は治まりません。
 

狭心症の種類

大きく分けると「労作性狭心症」「冠攣縮性狭心症」「不安定狭心症」の3つに別れます。
 
階段をあがったり、動いた時に心筋への血液の供給ができなくなるのが「労作性狭心症」です。(労作時には多くの血流が必要になるのですが、冠動脈の狭窄のために心臓の筋肉に十分な血液の供給ができなくなります。)
 
元々冠動脈に狭窄がないが、血管に含まれる筋肉に痙れんが起こる事で一時的な狭窄を生じるのが「冠攣縮性狭心症」と言います。
 
「労作時」にも「安静時」にも出現する可能性がある狭心症が「不安定狭心症」です。
 
「不安定狭心症」は心筋梗塞へ移行する危険性が一番高くなっています。
 

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の症状

主な症状としては
 
・動悸
・息切れ
・胸痛
・呼吸困難
・悪心や嘔吐
・胸やみぞおちの痛み、圧迫感
 
などです。
 
「背中の痛み」「動悸」など誰でもおこる症状から「不整脈」「胸の圧迫感」などの重い症状まで色々ありますが、一番出やすい症状としては「胸痛」です。
 
特に「心筋梗塞による胸痛」の場合は突然死を起こすことがあり、多くの場合は発作が起きてから「1分以内」「心肺停止」まで繋がる事があります。

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の原因

冠動脈が狭くなる主な原因は「動脈硬化」と言われています。
 
・高血圧
・高血糖(糖尿病)
・高脂血症
 
などが動脈硬化の原因になり「心筋梗塞」「狭心症」に繋がります。
 
ただ「冠攣縮性狭心症」のように筋肉が痙れんする事でおこる「虚血性心疾患」もあります。
 
この場合は「ストレス」が一番の原因になり「心臓神経症」の一種と考えられます。
 
「心臓神経症」については「心臓神経症(動悸・息切れ・過呼吸・胸痛)」のページに詳しく書いていますのでご覧になってみて下さい。
心臓神経症(動悸・息切れ・過呼吸・胸痛)
 

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の漢方薬

原因が何からきているか、どのような症状で苦しまれているかを考えながら漢方薬を出させて頂く事が大事になってきます。
 

「動脈硬化」がある場合

「動脈硬化」がある場合は血管が硬くなってしまっています。
 
硬くなった血管を改善する漢方薬
血流を改善する漢方薬
 
の2種類を併用する事が多く、心臓に負担がかかっている場合は「心臓の負担を抑える効果のある漢方薬」を使う事もあります。
 
また「高血圧」「高脂血症」などの基礎疾患がある場合はそちらの漢方薬を中心で出す事もあり、一人一人の状況に合わせた漢方薬を服用して頂く事が大事です。
 

「冠攣縮性狭心症」などの動脈硬化がない場合

「ストレス」が一番の原因になっている為、ストレスを除く事が大事になってきます。
 
「自律神経を整える漢方薬」「動悸を緩和させる漢方薬」などにより血管の緊張をほぐしていきましょう。
 

発作が起きた時は

狭心症の発作がおきた時は「ニトロ」を使う事が一般的です。
 
しかし「ニトロ」は血管を無理やり拡げる為、血管への負担が大きいと言われています。
 
太陽堂では「ニトロ」の代わりに心負担がなく、心臓の機能も高めてくれる「牛黄製剤」を発作の時に使用して頂いています。

虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)の症例

症例 心筋梗塞(昭和17年生 男性)

 
3年ほど前に「心筋梗塞」にて風船治療をしたとの事。
最近になり症状が悪化してきた為、3ヵ月後に再手術をしようと言われたそうです。
その前に少しでも改善が見られればとこちらに相談に来られました。
 
症状としては「朝方運動時の胸痛」が一番気になるとの事。
病院の検査では「冠状動脈」「石灰化」していると言われたそうです。(服用薬はバッファリンとパナルジン)
 
漢方薬の種類としては
 
①血流を良くする漢方薬
②心臓の負担を抑える漢方薬
③自律神経を整える漢方薬
 
の3種類を組み合わせて出させて頂きました。
 
漢方服用開始から3ヶ月、体調も良く心筋梗塞の症状も薄れたので手術を延期する事にしたとの事。
調子良く過ごしているとおっしゃって頂けました。
 
漢方服用開始から10ヶ月、病院の検査でも「手術の必要は無くなった」と言われ、朝方運動時の胸痛はなくなったとの事。
病院のお薬での治療を止め、漢方薬のみで治療する事をご希望されました。
 
漢方服用開始から1年2ヶ月、調子も良く症状が出ていないとの事。
ほとんどの漢方薬を中止し「再発防止の漢方薬」のみを服用してもらう事に。
 
順調に改善が見られ、今も心筋梗塞の兆候はないそうです。
引き続きこの状態を維持出来るように過ごせると何よりですね。